轆轤教室(2) 木地を轆轤に取り付ける
いよいよ作業台に向います。かなり緊張しています。
写真は荒挽きされた木地です。お椀の大きさには定番があり、三八(さんぱち)です。3寸8部(約11.5cm)で、その前後だと三六、四〇、四二になります。
作家の創作活動の場合は木取り、荒挽きから行いますが、産業の場合は一品ものは別として同じ大きさのものを数多く作りますから、そう悠長なことはできません。そこで、作業所と呼ばれる事業所から荒挽きされた木地を調達します。
大きさに定番があるということは、それとかけ離れたフォルムで発注すると作業に時間がかかるということになります。
さて、まずは、荒挽きしたお椀を轆轤に取り付けます。外側から挽くので、お椀の開口部分を轆轤の回転盤につけて、手で回転させながら、回転の中心を探ります。
回転盤の5ヵ所から釘が出ているので、ちょうどよい位置を決めて、鉋の握りの部分で木地の高台を叩いて打ち込み、回転盤に固定します。釘が刺さると穴が開きますが、最終的には木地を2mmくらいの薄さになるまで挽くので問題ありません。
最初なのでどんな要領でやるのか、谷口先生がやって見せてくれました。中心点を探るというのは、陶芸教室の轆轤でも経験しています。縦と横と方向が違いますが、要領は一緒です。回転のぶれがなるべく小さくなるように中心を決めるのです。
「回転のぶれ」が生じるのは、木地が真円でなく、楕円形をしているためです。木地は樹種により堅さが違いますし、同じ樹種でも木表・木裏といった年輪の中心方向に対してどのような取り方をしたかや乾燥度合いで、収縮や反り方が変わります。
谷口先生はそれを木地が「動く」と表現していましたが、まさに木地は生きものなのです。プロの職人は多くの木地と出会うことによって「動き」を体得していきます。「動き」を考慮に入れて、木地を使う必要があるのです。
川北良造先生(人間国宝、石川県挽物轆轤技術研修所長)は「木地は樹齢の分だけ生きる」と仰られたそうです。それくらいの気構えで木地に接しなければいけない、ということでしょう。そこには天然素材ゆえの深さと妙味があります。
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